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史跡特集

ぶらり酒折名所の旅 Part 2

酒折周辺にはまだまだ名所が沢山ある! ということで、またもや散策に出動してまいりました。今回も、あらたな酒折周辺の魅力発見のため、体を張って散策してまいりましたよ。それではしゅっぱーつ!

青龍山 瑞泉寺

青龍山瑞泉寺

広い境内や立派なお庭に圧倒されてしまうこちらのお寺は「青龍山 瑞泉寺」です。
臨済宗妙心寺派の虚空蔵菩薩を本尊とするこちらのお寺、拝殿へと続く道には、見事な龍の彫刻が飾られていました。この立体感!今にも石から抜け出してきそうです。

お寺に隣接して保育園があるらしく、丁度節分だったこの日、境内への道を歩いていると豆まきをしている園児の声が聞と、園児を指導する先生の声が聞こえてきました。
先生「鬼は目の前にいるのではなく、自分の心の中に居るものですよ
……為になります!!

子育水掛地蔵 ひきとり地蔵

子育水掛地蔵
思いがけずありがたいお話を耳にしつつ、広い境内にたどり着きました。
向かって右側には「子育水掛地蔵」が居ました。
腰にしがみついている子供が可愛らしいです。
立て札によると、

子育水掛地蔵
とおといいのちに おもいかけ
ねがいをかけて 水をかけ
ちいさいいのちに おもいかけ
ねがいをかけて 水をかけ
水かけねがういつくしみ
心もからだも すこやかに
水かけねがう親も子も
心のあかをながします


とのこと。
子ども達が丈夫で育つよう健康と知恵を授けて下さるのだそうな。
保育園併設の寺院という事もあり、こういったお地蔵様があるとなんだかほっこりしますね。

ひきとり地蔵
左手側には「ひきとり地蔵」が。
悩みを引き取ってくれるからひきとり地蔵だそうです。
立て札には下記の言葉が書かれていました。

ひきとり地蔵
古く伝わるこの名前
うき世のなやみ この世のまよい
慈悲のまなざし 清らに照らし
身命おしまず ひきとります
みんなのやすらぎ 大きなねがい
お地蔵さまの おやくそく


なんと献身的なお地蔵さまでしょうか。もしや身命おしまず、みんなのやすらぎの為に悩みを引き取った結果、頭だけの姿に…?
なぜ頭しか無いのかは大変気になるところですが、境内から発掘されたもので元々は境内にたくさんある岩のどれかに乗っていたという説があるそうな。
これだけ大きな頭ならば、さぞかし大きなお地蔵様だったのでしょうね。
微笑みの浮かべられた表情は、首しかないという状況を忘れさせてくれる安らかさです。

拝殿の様子

二つのお地蔵さんの間を通ると、いよいよ拝殿です。
立派な拝殿の柱を見上げると、狛犬…?
拝殿と合体してまでお寺を守るとは、すばらしい忠犬ぶりです。
龍の彫刻も見えますが、瑞泉寺は龍に縁のあるお寺なのでしょうか。
白黒のモノトーンな色合いの、近代的な印象の拝殿です。

立派な松のある広い境内はそれだけでも見る価値あり。暖かい日にお散歩に寄り道したくなるお寺でした。


甲斐奈神社
高いところからこちらを見つめる2匹の狛犬。鋭い眼光にたじろぎつつ、道路に面して組まれた石段を上ると、一面に砂利が敷かれた境内にたどり着きます。
砂利を踏みしめる感覚と音を聞くと、「神社に来たな」という感じがしますね。
こちらの境内、社殿は、新しく改築されたものだそうで、まだまだ真新しさの残る綺麗な神社です。

甲斐奈神社

境内に入ってすぐ、気になる立て札を発見。
夫婦銀杏石・子育石・命の石というものがあるのだそう。早速向かってみましょう。
写真手前に鎮座している石が「子育石」、写真奥の丸い二つの石が「命の石」「夫婦銀杏石」の様子。
早速「祈願の仕方」に習ってお祈りです。

【1】 正面に立ち手を合わせて住所氏名年齢を告げます。
【2】 祈願したい面に向かい、玉に両手を当てて深く祈祷。
【3】 願いが叶ったらお礼参りをしましょう。


…どうやら叶えてもらえるのは、それぞれの石の、専門の内の一つだけのようですね!これは悩みます。
ところで住所氏名を告げるということは、神様は住所を見て尋ねて来るのでしょうか。

夫婦銀杏石・子育石・命の石

願いを決めて深く祈祷。
終わった後に、「祈願したい面に向かい」という手順を間違えたことに気が付きました。だから四面それぞれに別の言葉が書いてあったのですね!
同じ石なら大丈夫でしょうか…?皆さんは気をつけて。

石へのお祈りも済んだのでの今度は社殿の左手の方へ。
そこには小さなお社や石がズラッと並んでいました。これぞ八百万
複数の神様を崇める神道だからこそ出来るこの光景。壮観です。

お祈りをしてみました 小さなお社や石

南側から、延命長寿社(旧石の霊、鳥居の石扁額や石柱などを祀る)、動物霊石、諸霊社、水子霊石、無縁霊石、境内守護社(戦没者霊・境内有縁神・庚申大神)、祖霊社、五行円満石、家内安全社、安全・合格の鐘、合格の石、学業成就社、学業・交通守護牛、交通守護社、交通・開運守護馬、開運守護社、甲斐奈七福神、諸願成就社、百度めぐり、商売繁盛社(稲荷社)大国主大神石像、健康守護社(金比羅大神・大國主大神・活目大神)、生目大神石像。

とても全ての写真は載せられそうにありませんが、これだけあればあなた好みの神様がきっと見つかる!?

八百万の神々

いざ、拝殿へ
沢山の境内社を回り終わったところで、いよいよ拝殿へ。
まだ木の香りが漂ってきそうな、真新しい綺麗な神社です。

お賽銭を入れていると、賽銭箱の上にはおみくじを発見。どうやら自由に引いて良いようです。
おみくじが置いてある後ろに書いてある「神占の手順」を良く確認してやってみて下さいね。
私はもちろん確認せず、何も考えずに振りました。皆さんは気をつけて。

賽銭箱の横には、「紙絵馬」「願文」を発見しました。カラフルなペンやスタンプもあります。こんなに無防備でいいのだろうかと戸惑いつつ、ありがたく書かせていただきましょう。拝殿の北側に、結ぶ場所があるのでそちらに結んできました。叶いますよーに!

いよいよ拝殿へ おみくじ発見
主祭神
白山大神(菊理姫命)
白山を御神体と仰ぐ理智・決断・統一・紛争解決の神
浅間大神(木花咲耶姫命)
富士山を御神体と仰ぐ平和・寛容・結縁・安産の神

相殿神
瓊瓊杵命 治国済民
大山祇命 生命繁栄・守護
石長姫命 健康・長寿
若彦命 先導・道開き

功徳山 尊躰寺
功徳山 尊躰寺 こちらのお寺の創立は大永元年(1521)。武田信虎により開かれたと伝えられます。はじめは古府中の元柳町(武田3丁目)にあったものの、文禄・慶長(1592~1614)のころ、甲府城築城にともない、現在地に移転
昭和20年7月の甲府空襲で一度すべての堂宇を焼失してしまったものの、 昭和29年(1954)に再建されたのが現在の本堂なのだそうな。

新しいだけあり綺麗なお寺でしたが、歴史が失われてしまったのは残念ですね。
でも、空襲の際本堂は焼失しましたが、ご本尊さまと過去帳だけは焼け残ったそうです。
そんなご本尊さまは、「真向三尊阿弥陀如来」図像。甲府市指定文化財に指定されています。
信虎がこの本尊の霊験によって、難病を回復したと伝えられ、徳川家康が甲斐入国のとき、このお寺を宿陣としたのはその噂を聞きつけたからなのだとか。

庭園の様子

境内には武田信玄に仕え、その後、徳川家康徳川家康の側近として、佐渡金山奉行で甲斐の近世的村落成立の基礎を築いた人物として知られる大久保長安、現在の山梨大学教育学部の源流「微典館」の創立者である富田武陵、さらに、「目に青葉山ホトトギス初鰹」の句で知られる江戸中期の学者で俳人山口素堂のお墓があります。

そんな境内を歩いていると、なにやら懐かしい形状のシルエットを発見。
近づいてみると焼却炉でした。小学校時代は、掃除の時間にこれにゴミを投げ入れる係りが争奪戦になったものです……と年齢がばれそうな思い出に浸りました。
川のように形作られた、出来れば秋に歩きたい風情豊かな雰囲気の素敵なお庭でした。


甲福山 教安寺
甲福山 教安寺 正元年(1504)の創立のこちらのお寺、「郷安寺開創500年記念」の石碑が鎮座していました。
記念碑の手前には、「浄土宗開宗800年記念」の石碑。

石碑

なになに、書いてある言葉は「月かけの…?」
……解りません。
読めないで嘆いたところ、近くに普通に現代語で表記されていました。

「月かげの いたらぬ里は なけれども ながむる人の 心にぞすむ」

この歌は、浄土宗の「宗歌」と定められている法然上人が作られた和歌で、鎌倉時代の勅撰和歌集『続千載和歌集』にも選ばれているのだとか。
意味としては、「月の光は差別無く全ての場所に届くけれど、月を眺めようとしい人には無いものと同じこと」という様な感じでしょうか。
宗教的な意味合いにも読めますが、日常的な教えにも通じるところがあり深いですね。
周りを良く見て、人に感謝の念を抱ける人間に成長したいものです。

お寺の様子

さらに境内の中を見渡すと、「対話の法然上人」というブロンズ像を発見。
説明によると、戦乱の世の中、苦しむ民衆に浄土宗を説いた法然上人。その姿に感銘を受けた後世の彫刻家、山田良定先生が、この「対話の法然上人」像を制作し浄土宗宗務庁に寄贈。こちらにあるのはその同型第2作目なのだそうです。
台座内部はタイプカプセルになっており、檀家さんのメッセージが収められているんだとか。何だかロマンがありますね。

後になって調べてみると、ここは人気の芝居小屋「亀屋座」の発祥の地でもあり、江戸時代、甲府に来て三味線や琴を教えた謡曲師、六々寿さんのお墓があり、さらには徳川家康の8男仙千代の廟所(びょうしょ)があるのだとか。しかし、撮りそびれました……残念。

ちなみにこの教安寺、過去には敷地内に温泉が湧きだし、お寺の辺りにはお風呂屋さんがあったそうな。温泉のあるお寺……見てみたいものですね。

地図